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泉美木蘭
2024.7.25 12:05

産休・育休の件

今週は胃の不調に見舞われて、嘔吐するので食事もほとんどできずに休んでいた。夏場に徹夜するとすぐに免疫が落ちて、胃腸が弱るので参る。
今朝は、起きてからわりと元気があるので、少しずつ食べながら、土曜日には回復できると思う。


昨日は、横になりながら土曜日の予習にいろいろ本を読みなおしながら、調べものをしていたのですが、
2週ほど前のSPA!『愛子天皇論』、「女性活躍」と「女性の地位向上」のなかで、「産休・育休の間に企業が給料を払い続ける」という部分は、実際には行われないことのようです。

産休・育休の際は、原則、雇い主ではなく、健康保険や雇用保険などの社会保険から給与の50~70%が本人に直接支給されるという仕組みになっています。
その期間は、従業員本人も、雇い主の会社も、社会保険料の支払いは免除されます。
給与を支払うと、逆に社会保険からの支給金が調整されて減ってしまうため、「産休・育休中に給与は払わない」が原則でした。

岸田首相は、「異次元の少子化対策」と称して、育休の取得を拡大させるために、新たに社会保険からの支給率を80%程度まで引き上げるそうです。これによって、従業員本人は、手取り額のほぼ100%が手に入るという計算になるようです。

しかし、会社は「お金」だけではやっていけません。
漫画にも描かれていたように、産休・育休を取得する社員のために、新たに代わりの人を見つけて雇うのは大変……というか、ほとんどの中小零細企業にとっては不可能な話です。

特に、専門的・職人的な仕事をしている業種の場合は、よほど即戦力になる技能を持つ人がいなければ、すぐに回らなくなるのが現実です。そのような人は簡単には見つかりません。
さらに、新しく入った人が仕事に慣れて、うまく回り始めたところで、休んでいた従業員が復帰したら、簡単に辞めてもらうというのも無理のある話です。
ましてや、産休・育休に備えて多めに雇っておくなんて、できるわけがありません。

国の考える「異次元の少子化対策」というのは、結局、ほとんどの企業の現実の現場の問題をわかっていない片手落ちです。
「お金さえ補助すれば産休・育休がとれるだろう」というやり方が、ますます企業の首を絞めることになっているのだと思います。

 

泉美木蘭

昭和52年、三重県生まれ。近畿大学文芸学部卒業後、起業するもたちまち人生袋小路。紆余曲折あって物書きに。小説『会社ごっこ』(太田出版)『オンナ部』(バジリコ)『エム女の手帖』(幻冬舎)『AiLARA「ナジャ」と「アイララ」の半世紀』(Echell-1)等。創作朗読「もくれん座」主宰『ヤマトタケル物語』『あわてんぼ!』『瓶の中の男』等。『小林よしのりライジング』にて社会時評『泉美木蘭のトンデモ見聞録』、幻冬舎Plusにて『オオカミ少女に気をつけろ!~欲望と世論とフェイクニュース』を連載中。東洋経済オンラインでも定期的に記事を執筆している。
TOKYO MX『モーニングCROSS』コメンテーター。
趣味は合気道とサルサ、ラテンDJ。

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